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特に何ができるわけでもないが、飛行機が好き。 雑記を中心にした、いつまで経っても個人的興味の範疇を超えないブログ。

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『トライガン・マキシマム』(14) 内藤泰弘

トライガンマキシマム 14 (14) (ヤングキングコミックス)トライガンマキシマム 14 (14) (ヤングキングコミックス)
(2008/02/27)
内藤 泰弘

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 さて『トライガン・マキシマム』の14巻。出ました買いました最終巻です完結です。
 最後なんで、この巻も含めて『トライガン』という作品全体について考えてみようと思います。


 まずはこうして最終巻を手に取ることができたのは非常に嬉しい。長らく見守ってきた作品だから、やっぱりラストをきちんと読んでみたかった。連載でも確認していたけど、通して読むとやはり違う。

 この作品は成功しているところと失敗しているところがはっきりしていると思う。

 成功点であり、またメインテーマでもある「主人公ヴァッシュ・ザ・スタンピードの生き様」に関してはこの上なく最高の形で描き通されている。「誰も殺さない」「世界が平和であればいい」という傲慢で偽善的な理想論を貫くタイプの主人公としては、ある種突き詰めるところまで突き詰めた究極的な形に仕上がっているんじゃないだろうか。
 元々こういう理想を振りかざすキャラクターは、おおむね作者の恣意が入り過ぎていて、何の裏付けもない上っ面を飾っただけの人物になりやすい。今ここで代表例を挙げろと言われれば、すぐにでも何作品か挙げられる。
 そういったキャラ達とヴァッシュの違いは、自分の理想を押し付けないこと偽善であると理解していることそして偽善を通した結果、誰にどんな報いがやってくるのか解っていること、といったことだろう。
 そうしてできた彼の姿勢が、つまるところ徹底的な自己犠牲に至っているわけだ。マキシマム1巻を覚えているだろうか。主人公を素っ裸にして聴衆の前で晒しモノにした挙句、笑顔で犬の真似を演じさせるなんて、ヒーローものの作品じゃ普通はない。

 ヴァッシュは脆弱だ。とても人間的で、か弱い。
 そんな彼が自らに課した生き方はマキシマム7巻で彼自身が口にした通り。
 絶対に自分を守らない主人公。内藤泰弘は見事に描ききったと思う。
 誉めすぎだろうか?

 ただ、レガートとの最後の決着は賛否両論あるんじゃなかろうか。
 でもレガートはアニメでも漫画でも、ただ唯一ヴァッシュを根底から叩き折った人物。その存在理由を考えると、こちらも見事全うしきったと思うのだが。


 失敗点はいくつかある。
 直せる範囲だった失敗が、やはり作品全体を通して浮き出てくる矛盾や伏線未消化、または後付け。連載が長期だったから当然といえば当然かもしれないけど、ブレがあったのはやはり残念。
 加えて言うと、一時期のアクションシーンが乱雑過ぎて何をやっているのか意味不明だった、ということも挙げられるかな。後半は秀逸だと思うけど。(やはりガンカタが良い刺激になったのか?)

 それともう一つ。この14巻を読んで現れた失敗(と個人的には思っている)点が、種族問題。
 結果的に善意が勝った形に集結したものの、今後の人間とプラントの関係に、具体的な改善案は示されなかった。共存の道は選ばれたが、それではナイブズが提議した問題の解決にはなっていない。
 ヴァッシュもその点についてはあまり触れていない。というよりも彼の態度を見る限り、プラントが「使われる」以外に人間が生きる手段がない以上、仕方がないと考えている節も見られる。(見誤りだろうか?) 彼の生き方だけでは絶対に解決できない領域の問題についてどう決断するのか、その点がずっと気になっていたのだが……最後まで触れずに終わった。もどかしい。

 連載中の頃の話だが、個人的には「ヴァッシュ自身がバイオプラントと化して星を緑地化し、プラントなしでも人が生きられる世界を残して消えていく」という結末まで想像はしていた。彼の自己犠牲精神ならば、そこまで到達してもよい気がしたからだ。
 だがそうはならなかった。問題は未解決。ヴァッシュの「選ばなさっぷり」を考えるとおかしな話ではないのだが、やはり個人的にはしっくりこない。

 ヴァッシュの生き方については先述の通り、見事に描けていると思う。ナイブズの生き方も同様。この兄弟二人の濃さは飛び抜けてしっかりしている。

 ナイブズの選択は世界を変えるものだった。だがヴァッシュはそうではない。
 もしかすると種族問題が解決しなかったという点も、この二人の生き方を表したものなのだろうか。
 作者の描きたかったラストが「元の鞘に収まった」というものならば、何の問題もないと思う。



 んー、随分と長くなったなぁ。長さの割には考察が薄いかも。
 まぁ結局、この『トライガン』という作品をどう思っているのかというと、大好きでしたの一言なんですけどね。面白かったさ!

 劇場版『TRIGUN THE MOVIE』、何があろうとも観にいくからな!

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