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特に何ができるわけでもないが、飛行機が好き。 雑記を中心にした、いつまで経っても個人的興味の範疇を超えないブログ。

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『バックドラフト』

バックドラフト バックドラフト
カート・ラッセル、ロバート・デ・ニーロ 他 (2006/04/01)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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 密閉された室内で火災が生じた場合、酸素の減少と共に火の勢いが衰え可燃性のガスが溜まる。そこに、ドアを開けるなど急激に新鮮な空気が流れ込むと、残った火種が爆発的に燃焼する逆気流現象が発生する。それが「バックドラフト」。

 この映画はのめり込んだ。


 褒めるべき要素は沢山あるが、個人的には台詞回しが大好きだ。主軸となる登場人物らの描き方がうまいから、要所要所で吐き出される台詞が何よりも生きてくる。ラストで主人公の兄が漏らす言葉なんて感動もの。


 物語の中心は消防士の兄弟。彼らの父親は消防隊の隊長として活躍した人物だが、我が子が見守る中で殉職している。父の死後、全く別の育ち方をした二人だが、弟が兄と同じ消防団に配属されたときから物語は動き出す。

 主人公である弟は、何度も転職を重ねてきた浮ついた人物。父親の跡を継ぎ消防隊長になった兄は、能力が高いもののリーダーシップの発揮や家庭内に問題を抱えている。お互い根底には相手への信頼や期待があるものの、うまくコミュニケーションが取れず仲は悪い。その不器用な仲の悪さは、火災現場や訓練中、また日常のコメディシーンで度々違った形で表現されていて、ただの不和とは違う兄弟関係をうまく伝えているように思う。

 また、劇中では兄弟どちらのスタイルが正しいといった描き方はされていない。男として/父親として/また消防士として/彼らは非常に下手くそに生きている。一人の人間としてリアルだからこそ、画一的な人物造形よりも随分魅せられた面がある。ただ、女性関係のシーンに関しては兄弟二人共に失速気味だった。

 でもそんな盛り下がりもなんのその。主題の「火と消防士」という部分は文句の出ようがない。劇中に使われた「火は生きている」という言葉通り、ときには美しく這う低温の炎として、またときには化け物のような超高温の爆発として、SFXで表現される火が何よりも印象に残る。ただ燃えている炎の映像とは、明らかに一線を画していた。
 そんなただの火災映像ではないからこそ、その喉元に食らいついて戦う消防士たちの姿が一層際立っている。ここも台詞に引き込まれるところだが――「火を知り、火を読み、火を愛し、火を殺す」――「fire fighter」という単語は額面だけではないのだと教えてくれる作品だ。

| テレビ・映画 | 16:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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