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flight record

特に何ができるわけでもないが、飛行機が好き。 雑記を中心にした、いつまで経っても個人的興味の範疇を超えないブログ。

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『天になき星々の群れ―フリーダの世界』 長谷敏司

 久し振りに読んだ小説兼ラノベがこれ。
天になき星々の群れ―フリーダの世界 天になき星々の群れ―フリーダの世界
長谷 敏司 (2002/11)
角川書店

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 だが非常に満足だった。


 個人的に、随分昔に読んだ著者のデビュー作『戦略拠点32098 楽園』が忘れられず、期待値は高かった。「あれを書いた人ならば、きっと凄いものを書くはず」とページを捲っていくと――なんともまぁ、序盤が絶望的に面白くない。

 序盤は日常パートなんだけど、SF的未来要素の出し方は非常に巧い。遥か未来の別の惑星での生活感というものをきちんと出している。でもそれを加味してもキャラクターたちの描き方が下手くそのように思えた。
 今思えば、これって正統派ライトノベルに近い書き方を模索していた最中だったのかもしれないと、勝手に憶測。『戦略拠点』が一般ライトノベルから一線を画していただけに、慣れてないんじゃないかと。(まぁ俺は作者さんじゃないので、結局判らないですけど)

 そんな流れが少し続いて、話がようやく動いた後。序盤でこちらが抱いた鬱蒼とした倦怠感をものの見事に吹き飛ばし、斜め上へ事態が急変し始める。
 そうだ。こ れ を 待 っ て い た 。
 

 そして盛り込んだボリュームの大きさに感嘆させられる。SF小説のスタイルを最後まで通しつつ、中核にミステリー要素を絡めて物語の全容を巧みに覆い隠す。その上、雑多なラノベであれば陳腐になりやすい(且つ結論が出せるはずもない)「何が正しくて、何が間違っているのか」というテーマを扱い切った。
 最後まで現実的に非現実世界を描き切ったその手腕に脱帽する。
 
 頭使わないで読めるようなラノベ読んで「面白い」と言っている中高生たちに是非読んでもらいたい。萌えとかツンデレとか、記号化した要素しか提供できないライトノベルを読んでも得るものは僅少ですよ。

| 書籍 | 18:13 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

『楽園』と世界観繋がってますよね。
そしてこの続編はいつ出るのかと小一時間(ry

扱っているテーマも物凄くいいんだよなあ。またそれを清濁合わせてしっかり描ききる文章力もとんでもないし。読了後、タイトルの意味が分かって切なくなるっす。ラノベの傑作として、もしかしたら復刊されるかも知れませんね。

そういえばこんな対談がある。知ってるかな↓
ttp://lanopa.sakura.ne.jp/kyoto_sf/

| くまがえる | 2007/10/01 22:10 | URL | ≫ EDIT

そう。続きが書けるよう、わざと伸びシロ作っている感じがした。でも続き出てないんだよね(笑)
まぁ、あのテーマ内容だったら、もしかしたら一冊で終わらせた方がスマートで無駄がないのかも。と前向きに考えてみる。

それにしても「正しいことをする」理念ってのは難しいですよ。結論ないし、仮にあっても偽善っぽいし。そこら辺を一面的に捉えず、ちゃん醜い部分も書き切っている作品はなかなかないような気がする。


しかしその対談は知らなかった。凄い組み合わせ。
ちょっとじっくり読ませていただきますぜー。

| 乾燥若芽 | 2007/10/02 11:45 | URL | ≫ EDIT















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