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特に何ができるわけでもないが、飛行機が好き。 雑記を中心にした、いつまで経っても個人的興味の範疇を超えないブログ。

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『少年のブルース』 那須正幹

少年のブルース / 那須 正幹

 昔、子供の頃に読んだ児童書。ちょっと理由があって、実家の本棚から探し出して送ってもらった。
 で、読んだ。


 感想。素晴らしい。

 本書は74編からなるショートショート作品集。ショートショートだから個々の作品に無駄がなく、テーマがしっかりしている。この手のジャンルは星新一を思い出しやすいが、子供向けでこれだけハイレベルな作品を書いた那須正幹は物凄い作家なのではないだろうか、と素直に思ってしまった。

 那須正幹といえば『ズッコケ三人組』があまりに有名で、そればかりが先行しているイメージがあるが――この『少年のブルース』は間違いなく氏の傑作だ。
 子供向けではあるが、込められているテーマは実に多様だ。夢、希望、皮肉、恐怖、畏怖、盛者必衰、常識の転覆、価値観の倒錯、勧善懲悪の二面性……などなど。毒も薬もたっぷり詰まっている。

 徹底的に無駄を省いた文体はショートショートの基本。短い内容の中に一つだけテーマを盛り込み、更に読後感をうまく醸し出す手法も同じ。那須正幹は、そういった要素を完全に押さえた上で本書を書き上げている。しかも子供でも読めるように、だ。
 更に「やってくれる!」と思うのが、大人になればこそスルメ状に味わいの感じられる作品も多いところだ。子供に自転車を買い与える父親の話など、読んでいて著者自身の投影が感じられることがあった。「童話作家那須氏は、机に向かって美しくもかなしい物語を書きつづっていた」なんて書き出しから始まる一編もある。きれいな物語を書いているその現場で、生々しくただれた会話をする筆者の姿が非常にシュールだ。


 純粋に「作品を読む楽しみ」を教えてくれる、最高水準のエンターテイメントだ。
 批評? ベタ誉めですが何か。


 棚に残ってて良かった。


| 書籍 | 06:45 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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